グラフ構造は、オブジェクト間(要素)の関係性を表すために使われるデータ構造です。
この構造を解析する数学的手法がグラフ理論であり、ビジネスにおいては、SNSの友人関係やビジネスパートナーのネットワーク、市場の需要と供給のバランスなど、様々な現象をモデル化するのに利用されています。
グラフ理論をビジネスに応用することで、ビジネスパートナーとの信頼関係の構築や、需要予測などの課題を解決するための戦略の策定が可能になってきます。
分かりやすい例としては東京の地下鉄網やソーシャルネットワークの関係性を表現したイメージですね。今後注目したい構造です。
ワークフローなど業務系の可視化にも有用
グラフ構造は、業務系のワークフローを可視化するのにも役立ちます。
グラフ理論を用いることで、業務プロセスの状態や進捗状況を一目で把握することができます。また、業務プロセスにおけるボトルネックや余剰リソースを発見することもできます。
グラフ理論を使うことで、業務プロセスの最適化や、作業の優先順位の決定、人員の割り当てなど、効率的な業務運営が可能になります。
DOT言語を使いGraphvizで記述可能
グラフ構造を作成する際には、Graphvizという作図ツールが利用できます。Graphvizは、テキストファイルにグラフの情報を書き込むことで、自動的にグラフ図を生成することができます。グラフの情報を記述する言語として、DOT言語が用いられます。
DOT言語では、節点の形状や色、辺の太さや矢印の有無など、グラフの見た目をカスタマイズすることができます。また、DOT言語によって記述されたグラフ情報は、他のプログラムからも容易に読み込みやすいため、データの再利用性が高くなっています。
以下のようなものを簡単に作れます。ここではごく簡単に紹介しますね。
digraph travel_expense_workflow {
node [shape=rectangle];
start [label="出張費用を入力"];
submit [label="上司に申請を提出"];
approve [label="上司が承認"];
reject [label="上司が否認"];
send [label="会計部に送信"];
start -> submit;
submit -> approve;
approve -> send;
approve -> reject [label="承認を否認する場合"];
reject -> submit [label="再申請する場合"];
}
DOT言語の記述はChatGPTなどの言語生成AIで簡単に作成できたりしますよ。他にも手作業にはなりますが、CanvaやGoogleスライドなどの描画ツールでも作成できます。
状況に応じてDOT言語⇒Graphvizで自動変換する方法を知っておくと色々な場面で効率化できると思います。
グラフ構造を書く上で使われる用語
用語 | 説明 |
---|---|
ノード(Node) | グラフ上で点や頂点を表す要素のこと。 |
度数(Degree) | あるノードにつながるエッジの数を表す指標。 |
隣接ノード(Adjacent Node) | あるノードに隣接しているノードのこと。 |
孤立ノード(Isolated Node) | エッジが存在しない孤立したノードのこと。 |
中心性(Centrality) | ノードの重要度を表す指標。 |
エッジ(Edge) | グラフ上で点と点を結ぶ線を表す要素のこと。 |
重み(Weight) | エッジに付随する数値データを表す指標。 |
有向エッジ(Directed Edge) | 点と点を結ぶ線が向きを持つエッジのこと。 |
無向エッジ(Undirected Edge) | 点と点を結ぶ線が向きを持たないエッジのこと。 |
ループ(Loop) | 1つのノードから自身に向かって伸びるエッジのこと。 |
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